王舟『PICTURE』


前作『Wang』には、懐古的な寂しさに微笑みかけるような、小さな儚さを感じました。今作では、そのイメージを少しだけ裏切られたような印象を受けます、もちろん前向きな意味で。(今作で王舟に出逢ったという方は是非、前作も聴いてみてください。)

絹糸で編んだレースのような、透明感のある繊細さは今作にも変わらず存在していて、どこまでも細心して扱いたい気分にさせられる。だけど、その編み目はしっかりと力強く結び合っていることがちゃんと伝わってくるのです。決して簡単には解れないと思える、そのことがこの繊細さを「脆さ」ではなく「煌めき」に感じさせてくれる。そんな情景が浮かんで来ます。

ポップさ溢れる“Roji”や、ムーディーなダンスナンバー“Moebius”では、前作とは少し違った表情が感じられます。Kindnessが絶賛したという“ディスコブラジル”はシングルと違ったアレンジで収録されていますし、弾き語り曲“あいがあって”のシンプルなストレートさには、感情のくすみを一掃してもらえる気がします。

そしてもう一点、どうしても無視できないのは、宅録であるということ。その事実を疑いたくなるような音色の多彩さと豊かさには一驚しました。これがライブで演奏されるとき、どんな景色を創り上げるのか。そこにも興味を惹かれます。

既にリリースツアーも決定しているので、是非チェックして出掛けてみてください。きっと、素晴らしい音楽体験ができるはず。

Text:Miyaco

2016.1.20 on sale!

¥2.500(+tax) / PECF-1131

『PICTURE』

1. Roji

2. Hannon

3. Moebius

4. 冬の夜

5. lst

6. ディスコブラジル(Alone)

7. Hannon(Reprise)

8. Picture

9. Rivers

10. あいがあって

11. Port town

#review #王舟