LIVE VANQUISH


広島の音楽ファンにとっては待望の吉報。なんと広島市内に新しく約450人収容可能なライブハウス『LIVE VANQUISH』がオープンします!このカルチャープレイスが新たに誕生し、私たちの遊び場や選択肢も増えていくでしょう。この規模のライブハウスの完成が広島の音楽シーンに与えるポジティブな影響は、きっと小さくないはずです。新しい追い風が吹き始めるかもしれません。

今回はVANQUISHの仕掛け人でHIROSHIMA BACK BEATのオーナーでもある川口貴弘さんに、いち早くお話を伺いました。取材時は着工直後だったため、まだまだ無機質な空間だったのですが、この記事には載せきれないほど数多くの思いやりや気配りが細部にまで行き届いた設計をされていてとても感動しました!早くここで遊びたい!

Interview:Miyaco

―どうして新しいライブハウスを作ろうと思われたのか、そのストーリーから教えてください。

どこから話そうかね(笑)。今のBACK BEATは、前は別の人がショーパブを経営されていたんけど、そこの閉店が決まった頃に、不動産屋さんから「もうすぐ空くけど、ライブハウスやりたい人いませんかね」っていう話があって。自分の知り合いにそんな人はおらんと思うけど、1回自分で場所を見てみんと誰かに話もできんなと思って、最後の公演を見に行ったんですよ。そしたらなぜか「俺がやってみよう」って思ったんですよね。当然ライブハウスは経営したことも働いたこともないから、どんなものかもわからなかったんだけど、運よくいろんな人に助けてもらってなんとか経営してきました。そのうち80年代に活躍したプロのミュージシャンが別バンドを組んでライブに来てくれるようになって。だけど、プロのミュージシャンが来てくれるのは嬉しいけど、申し訳ないなっていう気持ちもあったんですよね。2階だから搬入搬出も大変だし、もともとがショーパブだったんで、設計自体がお世辞にも立派なライブハウスというわけではないから。だから、BACK BEATを手直ししたいっていう気持ちはずっとあったんです。それと同時に、「中規模クラスの新しいライブハウスを誰かが作るらしい」っていう噂はずっとあったし、そういうハコがあったらいいよねって僕も思ってたんですけど、実際はいつまで経ってもできてなくて。で、3年半くらい前に「誰もやらないんだったら自分がやろう」って思い立ったんです。それは、「誰もやらんことをやったらかっこいいかな」っていう、ほとんどエゴでそう思ったんだけど、本気になって実際に動き始めたら大変なことがたくさん見えてきて、これはエゴだけでは絶対に無理だなって実感して。それからどんどん勉強していったんですね。例えば、建設会社へ話をしに行っても、設計図を書くだけで数十万かかるって言われてしまったり、ゼネコンの人と話したら相手にされなかったりして(笑)。銀行の借り入れと、不動産の交渉と、建設会社と一緒に設計図を作るのとを、同時進行で進めないといけなかったんです。銀行も、これだけの規模のものを作るとなると、うちの会社では1行だけではお金を貸してもらえなくて、3行に協力してもらうことになって。その交渉にももちろん時間はかかったけど、いよいよと言う時に、メインの銀行からNGが出たんです。そしたら1週間後に2番目の銀行も「メインがNGなら…」っていうことでNGになって。その時はさすがにものすごい落ち込みました、30分くらい(笑)。

―その厳しい状況から、どうやってここまでたどり着いたんですか?

僕はボランティアでサッカーチームの監督をしてるんですけど、その教え子のお父さんに経営者さんがいて話が合うのでいろいろ話してて。3番目の銀行はその方が紹介してくださったんですよ。結論から言うと、それまで付き合いがなかったその銀行がメインになってくれて、他の銀行も引っ張ってきてくれて、一気に状況が好転したんですよ。普通は付き合いのないところにお金を貸すことはなかなかしないので、すごいことなんですよね。実は、建設会社との出会いもそうなんですよ。僕がPTAの副会長をしてるんですけど、会長さんが元PTAのおじさんと知り合いで。そのおじさんとは登校時間の見守りボランティアの時に顔は合わせてたんですけど、何をしてる人かは知らなくて。会長さんに今回の話をしたら「あの元PTAのおじさんが建設会社の社長さんよ」って紹介してくれたんです。で、そこの社長さんが「その夢ならいくらでも応援する」って言ってくれて、ここまで一緒にやってくれてるんですよ。極めつけは、この土地を管理しているのが、僕が教えてるサッカーチームの子のおじいさんなんですよ。ここはカプセルホテルができる予定になってたんだけど、「監督がやりたいんなら使っていいよ」って言ってくれて。そういう不思議な繋がりが集まって全部整ったんです。

―すごいですね!もちろんこれはひとつのビジネスなんでしょうけど、それ以上に川口さんの想いや夢に人がどんどん引き寄せられてる感じがして。

僕も本当にびっくりしましたね、こんなに集まるものなんだなって思いましたね。今度は、それをいかに良いものにするかっていうことですよね。BACK BEATを経験してるから搬入搬出の大変さも分かるし、イベンターさんの苦労も分かるし。だから使い勝手の良さ――それはアーティストも、お客さんも、イベンターさんも、全員にとって良いものにしないとなってすごく思います。だからバックヤードも含めて、会場の動線はすごく考えました。お客さんには、お店に入ってから会場に入るまでの間にもワクワクしてもらいたいんですよね。シネコンって、チケットを買ってから会場の扉を開けるまでの通路でワクワクするじゃないですか。あんな感じになればいいなって思ってます。

―VANQUISHの中でこだわってるところや特徴はなんですか?

こだわってるのは、車をステージ横まで着けて搬入できる作りにしてることです。だから車をステージに上げることもできるんですよ。いつかフェラーリをステージに上げたいですね(笑)。ちょっとした車やバイクの発表会とか展示であればできるっていうのは、なかなかライブハウスではないんじゃないですかね。あと、BACK BEATでは車椅子で来てくれる人が居たんですけど、車椅子をスタッフ4人で担いで階段を上り下りしてて、そしたらその人をあまり見なくなったんですよね。もしかしたら気が引けて遊びに来にくくなったのかもしれないと思って。だから、車椅子で出入りできることと、車椅子席を作ることは絶対に外せなかったですね。車椅子席は3席分、少し高さをつけて作ります。もうひとつこだわりたいのは、ある程度しっかりとしたバーカウンターにすることです。大人の人は、金額云々ではなく音楽に見合うお酒が飲みたい人もいると思うんですよね。だからイベントの雰囲気や気分に合わせたお酒も提供できるようにしようと思ってます。細かいことを言えば、音を遮断して休めるスペースを作るとか、喫煙室を作るとか、女子トイレと男子トイレの動線を分けるとか、楽屋には畳のスペースを作るとか、たくさんこだわりました。

―車を建物の中まで入れ込む設計っていうアイデアはどうして思いついたんですか?

もうとにかく、搬入搬出を楽にしてあげたくて。アーティストを輝かせようと思ったら、周りで働く人もイキイキしてないとね。だからその手助けがハコ全体でできたらいいなっていう想いですね。

―広島にこの大きさのライブハウスがないっていうのはみんなが気付いていた事実だし、みんなが待ってたことじゃないかと思うんです。

いろんな理由があってのことだと思いますけど、随分長いこと今の状況が続いてましたよね。楽しみにしてくれる人がいてくれたら嬉しいですね。

―VANQUISHの存在が広島に与える影響ってどんなことでしょう?どんな場所になってほしいと願うことで会ったりを教えてもらえますか?

広島の音楽業界がより盛り上がったらいいですね。今までは、この規模のライブハウスがないことによって、広島でのライブを見送ったり、チャレンジしにくかったアーティストもいたと思うんです。これからはVANQUISHもアーティストのステップアップの場所としてひとつの目標や通過点にしてもらって、アーティストの活動も広島のイベントも良い螺旋を描きながら上昇していけるようなイメージというか。それによって音楽も人も流れがより良くなったらいいなって思います。

LIVE VANQUISH

 広島県広島市中区薬研堀8-6メイセイパーク1F

 お問合せ :広島バックビート 082-247-0074(担当:金子)

<こけら落とし公演決定!>

竹原ピストル 全国弾き語りツアー"GOOD LUCK TRACK"  ◆日時:12/12(水),13(木)  ◆OPEN/START:18:30/19:00

 ◆チケット:全自由¥3,780(整理番号付、ドリンク代別、税込)        一般発売日:12/2(日)  ◆問合せ:ユニオン音楽事務所082-247-6111

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