Wienners

December 6, 2016

10月5日に2ndミニアルバムとなる『GOKOH』が発売された。現在のメンバーとってから2作目となる新作も、彼らの持つ複雑で色とりどりの世界観がドンと前に出た気持ちの良い一枚。そんな『GOKUH』を引っ提げ、全国ツアー中のWiennersに突撃!

本インタビューでは、そんな新作と玉屋2060%(vo/gt)の魅力に迫る。

Interview:てしまめ。/Photo:MiNORU OBARA

 

 

 

−2ndミニアルバム『GOKOH』の読み方とタイトルの由来は?

 

読み方は“ゴコウ”です。この言葉には色んな意味があるんですけど、花札の一番強い役で五光っていうのがあって。今回のミニアルバムも5曲入っていて、“5つ光る”という意味を掛けてつけました。他にも「後光が射す」の後光、果てしない時間という意味の五劫とか色んな意味があるのでローマ字で表記しています。

 

−今作はいつ頃から制作し始めましたか?

 

 曲自体は去年の終わりくらいから作り始めた曲もあれば、制作する中で出来た曲もあります。一番最初に出来た曲は、去年くらいから曲の断片は出来ていて。“おおるないとじゃっぷせっしょん”は結構前から元ネタがあって、それを軸にどんどん曲を付け足していったという感じですね。

 

−1曲目の“おおるないとじゃっぷせっしょん”をあえて日本語にした意味はありますか?

 

アメリカに昔「ソウル・トレイン」という番組があって。“ジェームズブラウン(James Brown)”とか、“グラハム・セントラル・ステーション(Graham Central Station)”とか、ファンクやソウルのバンドがいっぱい出る番組で。その「ソウル・トレイン」に、日本の侍が急に出て行って、見よう見まねでファンクとかヒップホップとかを取り入れた演奏をして外国人をビビらせる、みたいなイメージで作った曲です。なので墨で書いた「おおるないとじゃっぷせっしょん!!」みたいな感じのイメージで日本語にしました。

 

−めっちゃかっこいいですね!

 

しかもそのファンクは侍が見よう見まねでやっているから、本物ではないんですよね。「ファンクとはどうやるんじゃ。ヒップホップとはどうやるんじゃ。あ、ヒップホップとは落語を早口で言うことか」みたいな感じで勝手な解釈でやっちゃう、みたいなイメージの曲です。

 

−ミニアルバム『GOKOH』 のテーマはありますか?

 

テーマは“和”っていうか“日本”っていうか。元々Wiennersは日本的なメロディとかコード進行を癖でよく使っていたんですけど、あえてそれをテーマにして作品を作ったことがなかったんです。一度作ってみたいなというのもあったし、日本の文化・島国文化って改めてすごいなと思っていて。何かを0から1に作り出すことはあんまりできないけど、海外から入ってきた文化を1から10にする力をとてつもなく持ってるなって思っていて。それこそファンクが入ってきて、勝手な解釈でわけわかんない進化遂げちゃったり。テレビゲームも、それ自体は日本が作ったわけじゃないのに、任天堂は世界のブランドで日本独自のものだったりもして、そういう勝手な進化のさせ方がすごいなと思って。そんなふうに、いろんな音楽を取り入れて自分達で独自の進化を遂げていく様なイメージで、今作を作りました。

 

−やっぱり!ジャケットもそうですし、曲を聞いて“日本”をテーマにしているのかなと思っていました。

 

めちゃめちゃそうですね。日本を意識していますね。日本文化とかも面白いなと思っていて。とてつもない勢いで文化が成長していて、3世代4世代遡ったらちょんまげのやつがいるとか。この前テレビで「まだ最後の幕府の徳川の将軍を生で見た人、生き残ってる説」っていうのをやっていて。

 

−えー?!いるんですか?!

 

何人か百何歳のおばあちゃんがいて。それってハンパない事だと思って。中世ヨーロッパとかだったら絶対ありえないじゃないですか。ヨーロッパの貴族の文化って、何世代も遡らないとたどり着かないけど、日本ってちょっと遡ったら江戸の文化が残っている。それをオカルトっぽく感じることもできるというか。そういうわけわかんない感じも出したくて。浦島太郎もなんのこっちゃわかんないお話だし、そういう、時代感がわけわかんない感じも出したかったので、そういう要素も入れたりしましたね。

 

−今作を聴いて、誰かに向けて歌うっていうよりは、Wiennersの世界観が出ているなと思いました。

 

抽象的なものよりも、イメージとか絵がはっきりしているというか。僕、曲を作る時に台本を書くんです。テレビ番組や映画のエンデイングの挿入歌のイメージで曲を作って。例えば誰かに向けたラブソングだったら、登場人物もはっきりしているし、どんな女性がいてどんな男性がいてどんな恋をして。そういう物語の最後に流れる曲みたいな感じで、自分の中で台本を作ってはっきりしたイメージで曲を作っていますね。

 

−逆に、自分の思いをぶつけた曲みたいなのは今までありますか?

 

あります!こういうこと伝えたいなと思ったら、それを伝える物語を作って。例えば、ソロでやっている曲では、2ちゃんねるに悪口を書き込んでいる人ってどんな心境なんだろうなって考えて。想像してその人になりきって、「多分これ嫉妬だな」みたいな感じで、そいつを主人公にしてひねくれた曲を作ったり。自分が思った事は、主人公に全てを任せて言う感じはありますね。

 

−曲作りの際には玉屋さんの中で、鮮明なストーリーが一度作られているんですね。曲作りのために読書や映画観賞や旅に出てみたりなど刺激をもらったりしていることはありますか?

 

ありますね。音楽やる上で一番重要だと思っていることが、音楽以外の趣味がどれだけあるかだと思っていて。音楽聴いて音楽作っても、音楽にしかならないというか。音楽以外の全ての要素をいかに音楽に取り込めるか、ということを考えます。例えばこういう会話とかもそうなんですよね。自分が喋っていて「あ、自分って以外とこういう事思っていたんだ、次こういう曲作ろう」とか、「インタビューアーの方が、意外とこういう解釈されていたんだ」って思ったこととか、全て音楽に反映しようと思っていて。僕、結構バラエティ番組をよく見るんですよね。そこで芸人の話の構築の仕方とか、起承転結のつけ方、間の取り方はすごく参考にしますね。勿論読書もするけど、一番参考にするのはバラエティ番組かもしれないですね。

 

−好きなバラエティ番組とかありますか?

 

結構ありますね。僕はIPPONグランプリが好きで。あれってスポーツとしても観戦できるし。単純に面白いしサッカー見てるのと同じで、「あっ、このタイミングでこうやって攻めるか」とか、フリップに書くのにデカデカと書くのがいいのか、チョロっと書いてボソッと言う方が良いのかとか。間とか。ピンポン押して振られてすぐバーンッて答えるのか、ちょっと溜めて言うのかとか、そういうスポーツ的な観戦というか。サッカーで言うと、速攻でせめて点取るか、ちょっと引いて点取るかみたいな。そういうのを分析をして見るのが凄く面白くて。さすがだなって。特に、伊藤アナウンサーが司会だった頃が凄く好きで。伊藤アナウンサーの回し方がすごいんですよね。自分が目立たないように芸人を面白くするというか。振り方とか、ちょっと面白い回答の拾い方とか。拾ってそれをちょっといじって一笑い起きるけど次の回答者もスムーズにできるように「はいじゃあ、次○○さん」みたいな。抜群の回しの巧さなんですよね。見ているとなるほどなってすごく勉強になります。あとアメトーーク。ひな壇に座っている人達がどう話をぶっこんで行くのかとか、それを回す雨上がり決死隊のMCの振り方もすごい見ます。それを曲作りに還元しようって思いますね。フリ、ボケ、オチみたいな。曲とかもそうだと思うんですよね。イントロっていうフリがあってAメロでボケて、最後の大サビでオチをつけるみたいな起承転結みたいなのは、歌詞を作る時にも考えるし曲の抑揚をつける時にも勉強しています!

 

−玉屋さんの音楽以外の趣味は何ですか?

 

それこそ、お笑い好きだし。サッカーも好きなんですよ、昔やっていたのもあって。あと、アジアの文化が凄く好きです。旅行とか音楽やっているとなかなか時間なくて行けないんですけど。20歳の頃に1ヶ月位インドに行ったことがあって。インドの文化とかヒンドゥー教の文化はすごい興味があって、そういう世界観なんかも曲に落とし込んでいけたらいいなと思っていて。旅行記を読むのもすごい好きで。沢木耕太郎さんの『深夜特急』がバックパッカーのバイブルみたいなもので、それからもめちゃくちゃ影響を受けていますね。

 

−アジアに興味持ったキッカケは何ですか?

 

俺もなんかよくわからないんですけど、単純に興味があって。惹かれるというか。自分の文化じゃない文化に、足を踏み込みたいっていうのがあって。初めてインドに行った時も、自分がロールプレイングゲームの主人公になった感じだったんですよ。俺3万円しか持って行かなくて。それでどうやって生活する?!っていう感じだったんで野宿もしましたね。そうやってやりながらロールプレイングゲームみたいにいろんな街に行くのがすごい面白くて。自分と違う文化、特に発展途上の国が凄く好きで混沌としている感じというか整理されてない無秩序な感じというか。街が生きてる力がすごいワアーッてなってて、それを感じるのが面白いし、あと死なない程度に怖い思いをしたいっていうのがあります。

 

−なぜ?!(笑)

 

興奮するじゃないですか(笑)。死なない程度に監禁されてみたいとか、刃物突きつけられてみたいとか、やーべぇちょーこぇーみたいな。死んじゃったらだめなんですけど。アジアの国のバックパッカーにすごく興味があって。宗教的な派手さ、インドとかヒンドゥー教とかめちゃめちゃ神様派手じゃないですか。チベット仏教も、マンダラとか飾ってある旗とか派手で。単純にそういう世界観が好きで。お寺とかも金ピカで。「まじか、これありがたみあんのか?」ってぐらい派手。向こうの人ってヒンドゥー教の神様のブロマイドとか持ってるんですよ。日本でいうアイドルみたいな感覚で、「お前何が好きなの?」「俺ガネーシャ」「やばい俺も俺も」みたいな。神棚とかに飾ってあったりとかしていて。「俺嵐好き」 「AKB好き」みたいなノリでそういう、「ガネーシャが好き。」みたいな感じなのもなんか面白くて。すごい興味がありますね。

 

−そういう風に海外に出たからこそ、日本の良さっていうのを改めて曲にしようと思ったんですかね。

 

あー!でもそれもあるかもしれないですね。海外からみた日本っていうのも、ちょっとズレてて面白い。未だにちょんまげの人とか、マジの侍がいると思っている人もいると思うので、その感じも面白くて。だから“GOKOH”も海外から見た誇張した日本みたいなのが入っているかもしれないですね。本当はいないんですけど「サムライハラキリ!フジサン!」みたいな。海外出るとそういうの感じて、偽物の日本みたいな感じで面白いですね。

 

−曲を作ったり楽曲提供をしていると思うんですけど、普段どのように曲を作っていますか?

 

常に考えています。思いついた曲を作るというよりは台本を作ります。例えばレシートに書かれている「毎度ご来店ありがとうございます。」ってところにピーンと来る時もあったり。古い喫茶店のおばあちゃんのアコーティスティックな曲のイメージができて。こういうのを写メっておいて、メモに"古い喫茶店で働くおばあちゃん"って書いておくんです。昔から、夫と結婚して老後は二人で喫茶店を出そうねって言ってたんだなぁって想像して、そういう物語をメモする、それを溜めていって。楽曲提供で、こんな曲作って下さいって言われたら、引き出しの中から近いテーマを探します。あと、曲提供の時はその人になりきって作ります。でんぱ組inc.っていうアイドルの曲を作っているんですけど。それだったら、でんぱ組.incに入ったつもりになって。7人目のメンバーとして「はぁ、私今どんな気持ちなんだろう。やっぱアイドルって辛いなぁ」みたいな(笑)。そういう事を考えながら作っています。基本的にとにかく入るところから始めます。

 

−玉屋さんの音楽のルーツと、今気になっている好きなアーティストを教えてください。

 

元々ルーツは日本のアンダーグラウンドはパンク、ハードコア。アンダーグラウンドとも言えない。もうローカル。レコードしか出てない、デモテープしか出てないようなものをこぞって掘ってライブ行って。高校生時代はそういうものがルーツで。未だにパンク、ハードコアは自分の根っこの部分というか。そこから段々ソウルとかファンクを聴くようになって。自分が好きだったパンクやハードコアシーンにソウルとパンクを掛け合わせてごちゃごちゃにした、ハイブリッドな感じのバンドがいたんです。“ジェームズブラウン(James Brown)”の3倍速やっちゃう感じのバンドで、そういうのからファンクに興味を持ったりとか。そこから流れてジャズ、フュージョン、ワールドミュージックも好きで。今好きなのは何だろな。それこそ、クソみたいな海外のわけわかんないおっさんのダンスミュージックとか。

 

−それも掘っていって?

 

そうそう。通販でしか買えないようなレコードとか、カセットテープとかしか出てなくて。国内で買えないようなものばっかりなんですけど。最近ハマっているのがオマール・スレイマン(Omar Souleyman)っていうシリアのおじさんがいるんですけど。シリアの民族音楽を電子キーボードで弾いてちょっと何倍速にしてやるような。その人は結婚式とかで演奏していて、お祝いの音楽を奏でるんです。それの録音というか、よく言えばライブ盤みたいなのをカセットテープで出していて。音質も超悪いんですけど、それが結構海外のプロデューサーに目をつけられて、最近CDが出たり海外フェスに呼ばれたりして。最近はそれにハマっています。あとは、できるだけ日本のバンドの曲を聴くようにもしているんですけど、ピンとくるものがあんまりなくて。ただ自分は今のシーンでやっているんで、今のシーンを知らないとシリアのおじさんを吸収した所で、どう吐き出せば今の若い子に伝わるかがわからないので、今流行っているものはできるだけチェックしています。

 

−新体制になって2作目の作品ですが、ツアーでのお客さんの反応だったり、自分達の中での手応えっていうのはありますか?

 

今回すごいよかったのが、新作“GOKOH”の曲がライブですごく盛り上がってくれるなって思ってて。今までは、アルバム出してツアーで回っている時って、まだ盛り上がりきらなかったんですよね。(曲が)馴染まないというか。ツアーが終わった頃にアルバムの曲がライブで盛り上がり始める感じだったんです。でも今回は、“GOKOH”のツアーから“GOKOH”の曲が盛り上がっていたので、それはよかったなって思いました。それは狙った部分でもあったんです。曲がいかにライブにハマるか、そこはすごく考えて作っていたので。それがハマって、これは今までにない良いことだって、すごく肌で感じています。

 

−これからのWiennersでの目標、玉屋さんの展望をお願いします。

 

Wiennersはまだまだバンドになれるなって思っていて。もっと、個が際立って行くような。まだまだ曲作りも模索してて。今回も実験的に曲を作っていたんです、新メンバーのアサミサエ(vo/key/sampler)に、もっと合う曲があるんじゃないか?とか。次のフルアルバムくらいまでに、それがピターンっていくような曲を探し求めて、これだっていうのに辿りつきたいなって思ってますね。個人的には、バンドでもそうなんですけど、自分がいいなと思う曲を日本人全員にいいなと思って欲しいです。そうするためにはどうしたらいいのかって考えた時に、すごい昔から自分の肝に銘じていることがあって。踊る大捜査線というドラマで和久さんっていういかりや長介が演じていた役が、織田裕二演じる青島刑事に「正しいことをしたければ偉くなれ」って言うセリフがあるんです。青島刑事は所轄で下の方の部署で働いていて。でも彼には彼の信念があって、こういう風に仕事がしたい、だけど上層部にはそれが届かない。だったら偉くなって上層部に行けと。僕もそのとおりだと思っていて。自分が思う正しい事を、世の中に広めたいんだったら、売れないとダメだなって。まずは発言権をもたないといけないので。発言権を持って、オマール・スレイマン(Omar Souleyman)面白いよ!とか言いたいですね(笑)。だから今は、とにかく偉くなろうと思っていますね。

photo:2016.11.9 @SECONDCRUTCH

 

 

 

 

 

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初回限定盤 ¥2,000(+ tax) / NBDL-36/37

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『GOKOH』

CD (通常盤・初回盤共通)

 1.おおるないとじゃっぷせっしょん

 2.TRY MY LUCK

 3.座頭市

 4.さよなら浦島太郎

 5.姫​

DVD (初回盤収録)

 みずいろときいろTOUR FINAL @恵比寿LIQUIDROOM

 

 

 

 

 

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